信州の“おもてなし”Blog

2022.10.17

大塩温泉と酵素の力で、主役級においしい 「かぐやふあーむ」のミニトマト

パンパンに実った、真っ赤なミニトマト。味わってみると、皮は薄く、まるで果物かと思うような爽やかな甘さが口の中いっぱいに広がります。『Restaurant溪』で扱っているミニトマトは、レストランがある鹿教湯温泉のお隣り、西内エリアにある「かぐやふあーむ」でつくられています。「温泉酵素野菜®」と名づけられた野菜のおいしさの秘訣は、“酵素風呂”と“温泉”だとか。その秘訣を探りに「かぐやふあーむ」運営母体の「㈱ボーテ・ディマージュ・レイ」代表の佐藤ゆかりさんと、831部の尾美保さんにお話を伺いました。

大塩温泉がある西内エリアを元気にしたい

「かぐやふあーむ」がある西内エリアには、大塩温泉があります。代表・佐藤ゆかりさんの両親はかつてこの地で旅館業を営んでいて、春と秋にはツアーのように観光、温泉、宿での宴会をセットにしたツアーで県外客をもてなしていました。当時はとてもにぎやかでしたが、今その勢いはありません。湯温32℃とぬる湯ながら、わずかにラドンを含む放射能泉で全国的にも珍しい温泉です。

「いつかは再び、この地を元気にしたいという目標を持っていました」と佐藤さん。

現在のKagu-yaを開業するまで佐藤さんは、上田市内で14年。整体やエステのお店を経営し、お客様の体のメンテナンスケアをして来ましたが不調のお悩みの原因が冷え性に多いことに気がつき、たどり着いたのが“酵素風呂”でした。



-大塩温泉の源泉を加えた、ここにしかない酵素風呂

そして、現在の温め健康サポートサロン「kagu-ya(かぐや)」をオープン。ここでは酵素風呂、よもぎ蒸しといった体を温めるケアと、佐藤さんによる整体やエステが受けられます。 「kagu-ya」の酵素風呂には、ヒノキのおが粉に米ぬか、生薬の厳選された素材を混ぜたところに大塩温泉の源泉を加えて発酵させています。

「ほかの温泉なども試してみましたが思うように発酵が進まなかったけど、大塩温泉はうまくいきました。この地にあるものを活かした、ここならではの酵素風呂ができたと自信を持っています」と佐藤さん。

横たわると、自然発酵した熱がじっくり体をじんわり温めてくれます。20分の入浴を終える頃には全身から汗がこぼれ落ち、心身に溜まった毒素が抜け落ちるような心地よさ。その温かさは入眠時まで続くので、人によってはいつもよりぐっすりと眠れることも。

着実にリピーターが増えていく中で、使用済の酵素をただ捨てるのはもったいないと感じるようになった佐藤さん。冬のある日、雪が積もった地面の一角だけ雑草が勢いよく成長していることに気がつきました。実はそれが、酵素を廃棄していた場所だったのです。

「いろいろ学びを深めていくと外側からのケアだけではなく内側にも注目するようになって、食への関心が高まっていきました。そんな時、冬でも青々と茂る雑草を見て、酵素を混ぜ合わせた土壌で野菜を作ってみようと831(やさい)部を発足、農業をスタートしました」。

-メロンのように甘い、オリジナル品種のミニトマト

こうして現在は「かぐやふあーむ」でさまざまな野菜を栽培。地球に優しい土壌作りに拘り、大塩温泉の源泉と発酵済み酵素のオリジナル肥料を使って育てた野菜であることから「温泉酵素野菜®️」と命名。主力はオリジナル品種のミニトマト・スウィートプリンセスで、メロンの王様アールスメロンと同じくらい糖度があります。

831部を担当する一人、尾美保さんはかつて公務員として長年農政部に携わってきました。そこで田畑の土壌が痩せているということに気づき、調べていくうちに化学肥料に原因があるとわかりました。

「かぐやふあーむ」ではその経験を活かして、自然のバランスを人為的に崩さずに、無農薬で、バランスの良い栄養を与えようと、三大栄養素の1つ・ミネラルを豊富に含んだ大塩温泉と酵素を肥料に使っています。

「バランスの良い栄養を与えるって、人間も野菜も同じですよね。野菜の場合は、それが土づくりなんです」と尾実さん。

-採光性にすぐれ、長期間収穫できる“長期多段採り”

畑を見学してみると、身長よりも高くまっすぐに誘引していることにおどろきます。これは“長期多段採り”という栽培方法で、どのトマトにも風と光がよく当たるように工夫されています。訪れた8月は最盛期で、そこかしこに真っ赤に実ったトマトが宝石のように輝いていました。

「私たちがつくるミニトマトは、皮が薄くて甘みが高い。だけど後味はさっぱりしているので、いくつでもほおばれるおいしさがあります。いつかはこのミニトマトを野菜ではなく果物として売り出したい」と目標を語ります。

実際に食べてみると、トマト特有の青臭さが感じないだけでなく、みずみずしい甘さが広がります。近年では中玉かと思うようなサイズのミニトマトも見かけますが、1粒1、2cmの玉サイズで20〜30gを理想とし、ひと口サイズで味わえるのも高ポイントです。

小ぶりでありながら主役級においしい「かぐやファーム」のミニトマト・スイートプリンセス。『Restaurant溪』で、その味わいを最大限に活かしていきます。どうぞお楽しみに。

かぐやふあーむ
住所 長野県上田市西内758-1
電話 0268-75-8801(㈱ボーテ・ディマージュ・レイ)
HP https://www.kagu-ya.info/kaguya-farm

 

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