信州の“おもてなし”Blog

2023.09.25

無農薬で育てたハーブを手摘みし、自然乾燥。すべてが手作りのハーブティー

コース料理の最後に出されるドリンクといえば、コーヒーか紅茶を連想しませんか? Restaurant溪では記憶に残る香りと味わいを楽しんでいただこうとハーブティーをご提供しています。このハーブティーももちろん長野県内の生産者で、上田市にある「信州うらさとハーブ園」のものをセレクト。代表の池田美代子さんと娘の小林綾子さんが栽培するハーブは、香りと味わいの良さが他と格段に違います。今回は娘の綾子さんにお話しをお聞きしました。

-自分で育てたハーブをお茶にしたら、その味わいにおどろいた

信州うらさとハーブ園は、母娘で営む小さなハーブ園です。1997年、母の池田美代子さんが偶然入ったカフェで初めてハーブティーに出合いました。しかし、その時は味も香りもイマイチで、ハマることはありませんでした。その後、友人からハーブ苗を分けてもらったのを機に栽培を始めた美代子さん。自分で育てたカモミールにミントを加えてお茶にしてみたところ、そのおいしさに驚いたそう。カフェで出されたものはおそらく海外から輸入されたもので、新鮮ではなく、香りや味わいが抜けていたのかもしれないと気づき、そこから少しずつハーブの種類を増やして、育てていくようになりました。


▲現在は電気屋だった建物をお店にしてハーブティーを販売している

まだハーブが一般的でなかった時代にどのようにしてハーブを知り、苗を集めていったのか。そのヒントは、美代子さんの夫が営んでいた電気屋にありました。

「父が営む電気屋で、母は主に接客をしていました。当時はパソコンが登場し始めたばかりで、使い方がわからないといった問い合わせが多かったそうです。そういった困りごとに対応できるようにと母もパソコンやインターネットの勉強をし始めて、そういった中でハーブ好きな人とつながっていったそうです」

こうして自宅奥のかつて畑として使われていた裏山でハーブを育て始め、独自に勉強や研究を重ねていき、2004年からは育てたハーブでハーブティーを販売し始めました。

一方でそんな母の姿を間近で見てきた娘の綾子さんは、少しでも力になれたらと広報面でサポートをするようになり、一時は実演販売を通してその魅力を伝えてきました。「ハーブの魅力は、天然由来で体に優しいところ」と語る綾子さん。たとえば頭痛がするときに頭痛薬を飲むのではなく、不調を助ける効能があるハーブを選んでみる。そうやって自分の体で試していくうちに、ハーブの力を実感できるようになったと言います。

-一つ一つを丁寧に手積みして、雑味のないハーブティーに仕上げる

ここで育てているハーブは、すべて無農薬で栽培されています。植物が育ちたいようにのびのびと茎を伸ばし、葉を広げている様子は、見ているだけで心が安らぎます。現在育てているのは100種以上で、月ごとに収穫できるハーブは変わっていきます。訪れたときはちょうどカモミールの花が満開で、のどかな山里の風景に無数の白い花が風にそよいでいました。

「収穫するときは、晴れている日を選びます。太陽のエネルギーを吸収して満開に開いている元気な花のほうが、味わいも良いと感じるからです。雑味が出やすい茎や葉はなるべく加えずに、一つ一つ状態が良いものを選んで手摘みしています」

収穫したハーブは風通しの良い場所でしっかり自然乾燥させていきます。じっくりと時間をかけて乾燥させたハーブは色合いや形が美しく残されています。こうして独自に開発したハーブティーは、現在16種類まで増えました。

-コース料理のラストを飾る、ハーブの香りと味わい

Restaurant溪では、綾子さんたちから提案いただいた「里山ブレンド」「レモングラスブレンド」「ハイビスカスブレンド」の3つのハーブティーを用意しています。

「シンプルに1種類のハーブを使うのも良いですが、信州うらさとハーブ園ではよりおいしく、より飲みやすいハーブティーを味わっていただこうと独自のブレンドハーブティーを作っているんです」

それぞれ異なる香りと味わいが楽しめるので、その日の気分や体調に合わせて選べるのもポイントです。

「『里山ブレンド』はハーブ初心者でも親しみやすい和風ブレンドで、昔から日本の里山に自生している桑の葉、イチョウの葉、ドクダミをメインにし、味わいのアクセントにオレンジピールを加えています。日本茶に通じる飲み心地で、どんな食事にも合わせやすいのが特徴です。店で一番人気の『レモングラスブレンド』は定番ハーブのレモングラス、ミント、タイム、オレガノをブレンド。食後にぴったりなさわやかでクセのない味わいです。そして『ハイビスカスブレンド』はルビーのように真っ赤な色合いが美しいお茶で、ローズヒップ、ローゼル、バラの花弁をブレンド。ローズヒップだけでは酸っぱすぎますが、ブレンドすることでほど良い酸味とまろやかさを兼ね備えた味わいに仕上がっています」

ハーブティーの一番の魅力は、アロマテラピー効果や、美白や成人病予防などハーブごとに異なる効能があること。自分の体調などに合わせて選ぶのもおすすめです。
一度体験したら思わずリピートしたくなる、とびっきりフレッシュ感ある豊かな香りと味わいをぜひ体験してください。

信州うらさとハーブ園
長野件上田市岡1115
https://urasatoherben.shop-pro.jp
※ハーブ園は見学も可能です。ただし事前に連絡して予約することをおすすめします。

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